実は最初はltmじゃなかった!? ブランド名の裏話

ltmのお話

「ltm誕生秘話 〜life time mountaineeringからltmへ〜」

はいどうも!こうたろです!ていうわけなんですけど〜!

今日は「ltm」というブランド名がどうやって生まれたのか、その裏側をちょっと笑える失敗談も交えてお話ししたいと思います。


■ 最初は「ltm」じゃなかった

実は最初から「ltm」と名乗っていたわけではなく、当初は 「life time mountaineering」 という名前でした。

コンセプトは「生涯登山しよう」。響きもよく、デザイナーさんにロゴやプリントまで作ってもらい、もうこれでいこう!とワクワクしていたんです。


■ 社長の一言で青ざめる

そんな時、取引先の社長が一言。

「で、これ商標登録してる?」

……たしかに。将来的にブランドを育てていくなら避けて通れない話。

「まあそのうちやらなきゃな〜、でもパクられるくらい有名になりたいよね(笑)」なんて思ってましたが、信用のためにも登録を進めることにしました。


■ まさかの先客あり!

ところが!調べてみると、なんとアパレル業界にすでに 「life time」 というブランドが存在していたのです。

「え、せっかくプリントまで作ったのに!?」——その瞬間、背中に冷や汗。頭の中で印刷した版やデータがスローモーションでお蔵入りしていくのが見えました。

最初は「スペルが同じでもロゴが違えばいけるのでは?」と淡い期待を抱いたのですが、ここで学び。商標は“デザインだけ”の問題ではなく、言葉(称呼)や意味(観念)レベルでも衝突することがあるんですね。

特許庁のデータベース(例:J-PlatPat)などで調べてみると、衣類(第25類)や鞄・小物(第18類)といった、自分が展開したい区分に近い範囲で既に先行がある。つまり、同じ市場・同じカテゴリで“紛らわしい”と判断される可能性が高いわけです。

ここからが現実的な検討会——

  • 案①:ロゴを変える → 文字そのものが被っている以上、根本解決にはならない。
  • 案②:表記を少し変える(ハイフン・スペース・大文字小文字) → たいてい“称呼が同じ”として見られ、回避にならないことが多い。
  • 案③:日本語名(カタカナ)で押し切る → これも呼び方が同じなら危うい。
  • 案④:共存や合意を探る → 小さなブランドには現実的ハードルが高い。
  • 案⑤:潔くリネームする → いちばん痛いが、長期的には安全で健全。

そして出した結論が頭文字を取った「ltm」へのピボット。シンプルで覚えやすく、何より将来の拡張性がある。衣服とバッグで区分を取り、費用は約13万円。数字だけ見ると小さくはないけれど、「あとで引き返すコスト」より今ここで払うコストの方が安いと腹をくくりました。

正直、プリントまで進めていた身としては肩がガクンと落ちました。でも、ここで勉強になったのは——

① 名前は“想い”だけで走らず、最初に検索する。

② 同一・類似の判断はロゴより“読みと意味”が肝。

③ ブランドの信用は、法的な土台(商標)から。


■ 苦肉の策で「ltm」へ

そこで苦肉の策。頭文字を取って「ltm」に変更しました。

シンプルで呼びやすいし、今ではすっかり馴染んでいますが、当時は「life time mountaineering」を手放すのは正直名残惜しかったです。ロゴやプリントまで完成していたので、「ここまで来てゼロからやり直しか…」と机に突っ伏したくなりました。

なにせ、すでに「life time mountaineering」でプリントまでしていたので、変更するにも余計なコストがかかりました。

刷ったTシャツや資材をどうするか…という現実的な悩みも重なり、「これも学費か」と自分に言い聞かせたのを覚えています。

それでも腹をくくって商標登録の手続きを進めました。

登録は区分ごとに必要で、僕の場合は**衣服(第25類)とバッグ(第18類)**の2区分。まとめて2件分を出願したら、費用はなんと約13万円。

小さなブランドにとって13万円は決して軽い額ではありません。生地の仕入れならロットを1回増やせる金額ですし、イベント出店費や動画機材の更新にも回せます。正直、「これがなかったら新作Tシャツを何枚増やせただろう?」と考えました。

でも、大手ならまだしも、小さいブランドこそ**「名前」を守る土台**を持っておくべきなんですよね。もし後から似たような名前のブランドが現れたり、最悪「こちらの方が先に登録してます」と言われて訴えられたら、積み上げてきたものが一瞬で崩れてしまう可能性もある。

痛い出費ではありましたが、**“ブランドを名乗る以上、これは必要経費”**と覚悟を決めた瞬間でした。


■ 学び:商標は最初に調べよう

この経験から学んだのは、**「名前が被ってないか最初に確認すべし!」**ということ。

検索すれば調べられるので、思い入れのある名前を決める前にぜひ確認してみてください。

実際、小さなブランドの多くは資金的にいきなり商標登録なんてできないのが現実です。

でも、最初から被っているのに気づかずスタートして、後から「訴えられるかも!?」となるリスクは避けたいところ。


■ まとめ

こうして「life time mountaineering」は「ltm」へと生まれ変わりました。

失敗からのスタートでしたが、今では「ltm」の方がすっきりしていて、むしろよかったと思っています。

ブランドを立ち上げたいと思っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

笑い話のようでいて、実は大事な学びも詰まった誕生秘話でした。

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