「疲れたときこそゆっくり…下山を“計算”で考える」

その他

僕にとって下山とは、まるで「1桁の足し算を延々と解き続けるようなもの」です。


足し算の繰り返し=小さな動作の積み重ね

「1+2=3」「3+4=7」

ひとつひとつは簡単な計算。でも延々と続けていると、いつか必ずミスが出てきます。

山で言えば、その「ミス」がスリップや捻挫、転倒や滑落。

だからこそ、単純動作でも集中力を切らさないことが大切です。


休憩とペースコントロール=集中の持続

足し算を解き続けると脳が疲れて計算ミスが出るのと同じで、

下山も長時間続けていると集中が途切れます。

そんな時は「適度な休憩」をとること。

さらに「疲れている時はゆっくり歩く」ことで、余計なミスを防げます。

スピードより正確さを優先するのが、下山の鉄則です。


難しい計算=岩場や核心部

たまに出てくる「16+28」のような2桁の足し算。

これは、下山の途中に突然現れる難しい岩場や核心部に似ています。

普段よりも集中力を一段上げないといけない。油断していると一気に危険につながります。


ストックを使うと足し算が増える

通常は「右足」「左足」の2つの問題を解くだけですが、

ストックを持つとそこに「ストック操作」が加わります。

  • シングルストック 足し算は2つから3つに。バランスを取りながら歩く補助輪のような存在で、慣れればテンポを崩さずに歩けます。
  • ダブルストック 足し算は一気に4つに。スピードは落ちますが、そのぶん体への負担は減り、安定感は抜群。ロングトレイルや長い下山では特に効果大です。

つまり「ストックを使う=足し算の数が増える」ですが、

その代わりに計算ミス(=転倒や怪我)のリスクを減らすことができるのです。


トレイルランナー=フラッシュ暗算

そしてトレイルランナーは、まさに「フラッシュ暗算の達人」。

普通の登山者が時間をかけて解く問題を、瞬時にこなしながら下っていきます。

その技術と経験値は、まさに別次元です。


まとめ

下山は「簡単な足し算の積み重ね」。

そこにストックを使えば計算は増えるけれど、安全性というメリットも加わる。

だからこそ、

  • 集中力を切らさないこと
  • 適度な休憩をとること
  • 疲れている時はゆっくり歩くこと
  • 道具(ストック)をうまく使うこと

この4つが安全に下山するためのポイントだと思います。

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